NHK学生ロボコン2025技術公開 ハードウェア(投擲アーム・独立ステアリング)
NHK2025ハードウェア担当の中浦です.この記事では私の担当した投擲アームと独立ステアリングについて紹介します.
投擲アーム
開発スケジュール
ボール投擲について,当初は3本の平ベルトでボールを加速させる方式を検討していました.しかし,私の知識と技術が足りずこの方式の試作機でボールを投げることに失敗し,改良の目途もなかったため,大きく方向転換することにしました.“強いモーターでアームをぶん回せば絶対に飛ぶ”という先輩からのアドバイスを受けて,11月に投擲アームを設計し始めました.ボールを振り回す慣性モーメントに耐える機構を作ることに苦労し,最終版のアームが完成したのは3月の下旬になってしまいました.
機構について
機構を簡略化すると右図のようになります.アームの向かって左側はモーター,右側はベアリングによって支持されており,ハンドがボールを保持した状態で釣り合うようにカウンターウエイトをつけています.
ハンドを閉めるためのアクチュエーターにはエアシリンダーを採用しています.これはハンドを閉めきった状態で保持するために大きな力をかけ続けなくてはならないからです.エアシリンダーはアームの回転中心付近に固定されており.これ自体は回転しません.エアシリンダーの力をワイヤーによってハンドまで伝達しており,ワイヤーのねじれはベアリングによって解消されるようになっています.ワイヤーはミスミのリンクワイヤーを使いました.両端それぞれをおねじ,めねじ,リングから選択できて便利でした.
ハンドはリンク機構によって開閉します.ワイヤーを引くことによってハンドが閉まり,緩めるとバネによって開きます.ハンドが閉まった状態でリンクが直角に近くなる設計になっており,強い力でボールを保持します.リンクの関節にはミスミのナックルジョイントを用いましたが,思った以上に軸方向のガタがあり,ハンド先端にそれが影響していました.
独立ステアリング
開発スケジュール
m3508を使った独立ステアリングは必要になることを見越して,ルール発表前(どころかNHK2024の前)の5月から設計を始めました.8月半ばに足回りだけの機体を作ってソフト班に託し,制御をしてもらいました.
機構について
今回制作したのは,m3508で駆動,m2006で操舵を行う単純なものです.唯一工夫した点として,m3508を駆動に適した速さに加速するのを外部の歯車で行うのではなく,m3508内部の遊星歯車減速機構が二段階あるうちの一つを無効化する細工を施しました.
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