NHK/ABUロボコン2019技術公開 ③MR1ハードウェア


回り

・オムニホイール
足回りの移動方法して、オムニホイールを採用しました。
ロボットが全方向に向きを変えずに動く必要があったこと、ロボカップジュニアの経験者が数人いて知識があったこと、および独立ステアリングの開発は時間的に厳しいことなどを理由に採用を決定しました。
大会本番までに3種類のオムニホイールを買い、もっともグリップの高いものを選んだ結果、以下のリンク先のオムニホイールを本大会では使用しました。


・モータ
流れる電流が多いことで有名な、RS-775GMシリーズの丸軸仕様、減速比1:17を採用しました。
(朱雀技研ストア)https://store.shopping.yahoo.co.jp/suzakulab/rs-775gm017-r.html
丸軸にしたのは、次に述べるカップリングに理由があります。



・カップリング

モータからオムニホイールへの動力伝達として、オルダムカップリングを採用しました。
オルダムカップリングは、仕組みが簡単で、許容範囲が大きく、伝達トルクもある程度高く、他のカップリングより安く買えます。
キー溝のカップリングが希望でしたが、高価だったので、安価なクランプ式の丸軸のカップリングで我慢しました。
(モノタロウ)https://www.monotaro.com/p/8932/5336/?displayId=4

それでも1700円って高いですよね。



足回りのフレームにはアルミ角パイプ(15mm×15mm)を使用しました。

1次ビデオ審査までの足回り


2次ビデオ審査からABUロボコンまで使用した足回り



ゲルゲ機構

担当範囲でもっとも苦戦した機構です
NHKとABUでは、使用したゲルゲ機構が違うのですが、基本的な部分は同じです。
順に説明していきます。


試合開始直前に、ゲルゲ機構にゲルゲが装着されます。
この時、ゲルゲが落ちないように、二枚の板で挟まれていますが、
挟む力として、ネオジム磁石が、下から支える力として、片方の板にゴムが付けられています。

森と橋を通過していきます。強力な磁石で挟まれているため、ゲルゲを落としません。
橋を越えると、ゲルゲ機構がサーボモータで回転し、向きを90度変えます。

このゲルゲ機構は、MR1とMR2の距離にシビアなので、まず距離を合わせるために、待機しているMR2の後ろの木枠に接するようにMR1を移動させます。
壁に接するとMR1後部のフレームについているスイッチが押され、これを検出すると横に等速で移動を開始します。
機体後ろにキャスターとスイッチが取り付けられている
ゲルゲがMR2のゲルゲハンドに当たると、MR1のゲルゲ機構はスライドレールに固定されているため、
ゲルゲ機構を除くMR1は横移動を続けますが、MR1のゲルゲ機構のみ、その場に取り残されるような形となります。
その間にMR2のゲルゲハンドはゲルゲを掴む必要があります。

スライドレールには、よく伸びるゴムバンドが付いており、ある一定以上スライドすると、元に戻ろうとします。
この力がネオジム磁石によるゲルゲの保持力を超えると、ゲルゲハンドが開き、MR2にゲルゲを渡すことができます。

NHK学生ロボコンまでのゲルゲ受け渡しの様子(スロー)

ペットボトル

ペットボトルに空気を入れると、ペットボトル自体が膨張してしまうため、ペットボトルの固定には苦戦しました。
NHK学生ロボコンでは結束バンド、ABUロボコンではビニールひもで固定していましたが、もっと良い固定方法があったのではないかと思います。

パソコン

バッテリおよびディスプレイが一体となっている方が扱いが容易であると考え、ノートパソコンを使用しました。
取り出しやすさを考慮し、機体の最も外側の部分に、縦向きのスロットに差し込むように設置しました。

基板配置

基板がかなり大きく中央のシャガイ投擲機構と干渉することが問題になりました。配線数もかなり多く、配置の調整に苦労しました。

LiDAR

LiDAR取り付け部分の振動によってLiDARの上下方向の取り付け角度が変化し、木枠から光軸が外れてしまうことが問題となりました。剛性が高く振動が少ない部分に設置することが必要だと思いました。



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